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退職金に関する厚生労働省の就労条件総合調査<6>

永年勤続者は中小企業では少ない。「勤続20年以上かつ45歳以上の人の退職者」が1年間で1人もでなかった中小企業が8割以上

総務部長 中小企業でも、最近は永年勤続する方が増えているのでしょうね?

北見 いいえ、そんなことはありません。大手とは違い、永年勤続者はわずかしかいません。厚生労働省の「就労条件総合調査」は、平成20年の1年間で「勤続20年以上かつ45歳以上の退職者」が出た人数を載せています。
「退職一時金のみの制度」のデータをみていますと、1000人以上の大手では、37.1%のところで「該当する退職者がいた」となっています。
30~99人の中小企業では、17.3%のところしか該当する退職者がいませんでした。
このことは、永年勤続者が少ないという中小企業の人員構成の特徴を如実に表しています。中小企業の退職金の問題は、この中小企業の人員構成の特色をよく考えないといけません。
大手の場合は、「永年勤続して定年で退職することを前提にした退職金」の制度を研究するべきです。それに対して中小企業の場合は「中途で入社して、途中で自己都合などの理由で退職する人が多いことを前提にした退職金」の制度を研究するのが現実的でしょう。


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