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東京都「中小企業の賃金退職金事情」<6>

一般の男性社員の定年退職金は800万円 北見式賃金研究所調査

社長 私が知りたいのは、普通の一般社員の退職金です。せいぜい主任か係長止まりで、ずっと勤務して、定年までいったような人物の退職金が知りたいが、それはわかりませんか?

北見 だいたいですが、類推することができます。前掲のモデル退職金の表ですが、「モデル所定時間内賃金」という項目がありましたね。そこには「高卒 定年 403千円」「大卒 定年 454千円」という金額が載っていますね。これがカギです。この「モデル所定時間内賃金」と「モデル退職金」との関係をみてみましょう。

「高卒 定年 403千円」→モデル退職金 1038万円(25倍)
「大卒 定年 454千円」→モデル退職金 1154万円(25倍)

つまり、これだけの賃金をもらっている人がもらう退職金だったのです。ちなみにモデル退職金を所定時間内賃金で割れば25倍です。

社長 それで?

北見 社長からすると、この「高卒 定年 403千円」「大卒 定年 454千円」という賃金は、どんな人のイメージですか?

社長 それはもちろん管理職の賃金だと思います。一般社員ではもらえないでしょう。

北見 ちなみに東京都の「中小企業の賃金退職金事情」では、モデル賃金の額として次のように載っています。

北見 この賃金の額を見られて、どう感じますか?

社長 高いです。特に中高年になった人の賃金は高いと思います。当社とは比べものになりません。

北見 はい、もうメチャクチャ高いだと思います。高校卒の賃金をみてみましょう。

18歳 173000円 これはまあ初任給ですね。普通です。

30歳 249000円 これも相場並みですね。

40歳 325000円 やや高くなっていますね。

55歳 413000円 高いですね。

社長 41万円人は、もちろん幹部でしょう。定時で退社して41万円もらえるヒラ社員なんて、中小企業ではいないと思います。

北見 ここまでの説明で「モデル賃金」とか「モデル退職金」というものは「平均的人物」ではなく「模範的人物」をイメージしているものと理解できたと思います。

社長 それでは、主任クラスの一般社員の賃金は、いくらが相場ですか?

北見 北見昌朗が作成している「ズバリ! 実在賃金」では次のような金額になっています。

首都圏版(東京都+千葉県+神奈川県+埼玉県)
50歳 男性 一般社員 所定内賃金=314千円
50歳 管理職 賃金の総額475千円

東京都
50歳 男性 一般社員 所定内賃金=316千円
50歳 管理職 賃金の総額505千円

このように「50歳 一般男性社員」の所定内賃金は、東京都では316千円です。この金額に、先ほどの25倍を乗じれば、その退職金は790万円となります。

社長 25倍とは何のこと?

北見 先ほど、モデル賃金とモデル退職金との関係を説明しましたが、再度載せると次のようになっています。つまりモデル退職金を所定時間内賃金で割れば25倍になります。

「高卒 定年 403千円」→モデル退職金 1038万円(25倍)
「大卒 定年 454千円」→モデル退職金 1154万円(25倍)

多くの企業は今でも「賃金×勤務年数別乗率=退職金」としていますので、この算式で出てきた790万円が一般男性社員の退職金と考えて良いと思います。

北見昌朗は「東京都 中小企業 高卒男性 一般社員 定年退職金」は800万円前後であると推察致します。これが相場です。


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