ズバリ!実在退職金 トップ> 退職金・退職年金に関するニュース

退職金・退職年金に関するニュース<1>-4
退職金は制度変更に伴いトラブルが多いのも事実です

NTT企業年金減額訴訟:減額認めず 「確定給付」NTT側敗訴--最高裁決定

 

NTTグループが、経営悪化を理由に退職者約14万人の確定給付企業年金を減額する規約の変更を認めなかった国に処分取り消しを求めた訴訟で最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は、NTT側の上告を退ける決定をした。NTT側敗訴の1、2審判決が確定した。8日付。減額の要件を厳格化した司法判断が確定するのは初めて。
 07年10月の1審東京地裁判決は「減額が許されるには単なる経営悪化だけでなく、企業年金廃止を避けるため次善の策としてやむを得ないと認められることが必要」と指摘。05年9月の変更申請当時、NTT東日本・西日本は1000億円程度の当期利益を計上し、やむを得ない状況ではなかったと判断した。
 1、2審判決によると、NTTグループは退職者の9割近い同意を得て、企業年金の支給基準を固定する仕組みから、国債利率に連動して支給額が決まる仕組みに移行する減額変更を決定。05年9月に変更を申請したが、厚生労働省は06年2月、黒字が続き経営状態の著しい悪化とは認められない、として申請を退けた。

◇極めて遺憾な決定--NTTのコメント
 最高裁決定は「企業年金制度の長期的・安定的運営に向けた自主的取り組みであり、法の趣旨に合致し法令上の給付減額要件も満たしている」との当社の主張を退けたもので、極めて遺憾だ。

[毎日新聞社 2010年6月10日(木)]