退職金の社外準備 これだけある問題点
中小企業退職金共済の問題点 <2>
中退共は金利がほとんど付かない
総務部長 中小企業退職金共済(中退共)は、金利がほとんどないのですか?
北見 はい、中小企業退職金共済(中退共)は、金利がほとんど付かないと言っても良いと思います。中小企業退職金共済(中退共)のホームページを見ると、次のように載っています。
退職金は、基本退職金と付加退職金の2本建てで、両方を合計したものが、受け取る退職金になります。
運用利回りが予定運用利回りを上回った場合、これを基本退職金に上積みするもので、運用収入の状況等に応じて定められる金額です。
【参考】
付加退職金支給率状況 年度 支給率
平成18年度 0.0214
平成19年度 0
平成20年度 0
平成21年度 0
※平成6年度から平成15年度の付加退職金支給率は0です。
退職金= 基本退職金 + 付加退職金
<基本退職金>
掛金月額と納付月数に応じて固定的に定められている金額で、制度全体として予定運用利回りを1.0%として定められた額です。なお、予定運用利回りは、法令の改正により変わることがあります。
(退職金試算)基本退職金額表
運用利回りが予定運用利回りを上回った場合、これを基本退職金に上積みするもので、運用収入の状況等に応じて定められる金額です。
【参考】
付加退職金支給率状況 年度 支給率
平成18年度 0.0214
平成19年度 0
平成20年度 0
平成21年度 0
※平成6年度から平成15年度の付加退職金支給率は0です。
このように「退職金=基本退職金+付加退職金」となっていますが、実際には付加退職金がないので、基本退職金しか出ない訳です。
以下が基本退職金の表です。(平成24年1月7日時点)
別表① 掛け金と基本退職金
掛金月額 | 5,000円 | 10,000円 | 20,000円 | 30,000円 |
---|---|---|---|---|
1年(12月) | 18,000 |
36,000 |
64,800 |
100,800 |
2年(24月) | 120,000 |
240,000 |
432,000 |
672,000 |
3年(36月) | 180,000 |
360,000 |
648,000 |
1,008,000 |
4年(48月) | 240,850 |
481,700 |
867,060 |
1,348,760 |
5年(60月) | 304,100 |
608,200 |
1,094,760 |
1,702,960 |
6年(72月) | 368,550 |
737,100 |
1,326,780 |
2,063,880 |
7年(84月) | 433,800 |
867,600 |
1,561,680 |
2,429,280 |
8年(96月) | 499,750 |
999,500 |
1,799,100 |
2,798,600 |
9年(108月) | 566,150 |
1,132,300 |
2,038,140 |
3,170,440 |
10年(120月) | 632,800 |
1,265,600 |
2,278,080 |
3,543,680 |
20年(240月) | 1,333,300 |
2,666,600 |
4,799,880 |
7,466,480 |
30年(360月) | 2,106,550 |
4,213,100 |
7,583,580 |
11,796,680 |
40年(480月) | 2,958,950 |
5,917,900 |
10,652,220 |
16,570,120 |
この退職金の表をみてみると、4年目からわずかな金利が付くだけです。
確かに永年勤続すれば、金利が付きますが、そんな社員はもともとごく少数しかいません。
この退職金の表を見ていると、経費で処理できる以外にメリットを見出すことはできません。退職金の支払いも、もちろん経費ですから、税金面では何のメリットもありません。