10年で用意するなら年500万円
費用・税金等を除く仮定の計算。支給額の妥当性は別に確認します。
退任までに会社で
いくら用意するか
たとえば、10年後に6,000万円を支給したい会社に、退職金へ充てられる預金が1,000万円あるとします。これから用意するのは5,000万円。運用益や費用を考えない単純な計算では、毎年500万円が必要です。
この500万円を、事業資金を残しながら毎年確保できるか。退任が5年後へ早まったらどうするか。準備方法を選ぶ前に、必要額と期間を自社の資金繰りに当てはめます。
同じ5,000万円でも
毎年の負担は、期間で変わる。
不足額を、退任までの年数で割る。
10年で準備
年500万円
5年で準備
年1,000万円
支給額は計画のための仮定です。税務上の適正額を保証するものではなく、利息・運用損益・保険費用・税金も計算に含めていません。
資金の帰属
会社が払う退職金と
個人の備えを分ける
預金、法人保険、企業型DC、小規模企業共済。同じようにお金を出しても、会社が将来の支払いに使える資産になるとは限りません。
会社から支払う役員退職金の不足額を出すときは、会社がその支払いに使える額を確認します。
会社が保有する資産
- 会社の預金
- 必要な時期に、確保している額を確認。
- 法人契約の保険
- 契約条件と、予定年の返戻金を確認。
別途支払う役員退職金の原資を考える範囲
加入者ごとの年金資産
拠出後は加入者ごとに管理。会社が自由に引き出し、別途支払う退職金の原資にはできません。
加入資格を満たす経営者個人が備える制度です。
保険は法人が契約者・受取人となる場合を想定しています。支払った保険料、帳簿上の保険資産、解約返戻金は同じ金額とは限りません。
積立中と退任前後の税務
保険料を払う年だけで
判断しない
準備中の支出、保険を解約する年、退職金の額を具体的に決める手続きと支払時期までを、同じ予定表で考えます。
- 預金へ移す
- 会社口座へ振り替えただけでは、損金は生じません。
- 保険料を払う
- 契約条件によって、資産計上・損金算入の扱いが変わります。
保険を解約する場合
受け取る返戻金と、帳簿に残る保険資産との差額が損益に影響します。
役員退職金の額を具体的に確定
税務上適正な額を前提に、原則、その事業年度の損金になります。
実際に支払った年度に損金経理する扱いもあります。
処理の実施順序を示す図ではありません。解約、額の確定、支払いは、同じ日・同じ年度とは限りません。
自社の計画に当てはめる
資金繰り表と
既存の保険から確認する
退任予定年、支給したい額、退職金に充てられる準備済み資金。この三つを書き出すと、これから必要な額を計算できます。次に、資金繰り表で毎年どこまで確保できるかを確かめます。
- 毎年の資金繰り表
- 保険の設計書と返戻金の推移表
- 退職金規程と支給額の算定根拠
支給額の妥当性や税務処理は、自社の計画と資料をもとに顧問税理士などへ確認してください。
会社側の判断に
必要な情報を届ける。
制度の有利な点に加え、使える条件と資金の制約も説明します。会社の資金と個人の資産を分け、公的資料で税務・制度の情報を確認し、仮定の計算は前提を明示します。
本特集は一般的な資金計画の考え方を扱っています。個別の会社に必要な資金や税務上の取扱いは、契約内容や支給の状況によって異なります。